自家用電気工作物の保安管理に関する委託契約書の印紙
ご訪問ありがとうございます。 豊富な企業法務経験による契約書の作成リーガルチェック専門「ヒルトップ行政書士事務所」の濱村です。
本日は、よく官公署の雛形がインターネット上にアップされている「自家用電気工作物の保安管理に関する委託契約書」の印紙について、解説いたします。
「自家用電気工作物の保安管理に関する委託契約書」は、機器を対象とする定期点検業務をメインとした保守契約書に近いものがありますので、ほぼ保守契約書と同様に判断すれば問題がないと考えられます。
保守契約書もそうですが、重要なのは、業務の内容です。
業務の内容が、仕事の完成責任を負う請負契約なのか、それとも単なる事務処理である準委任契約であるかということです。
まず、継続的な契約ですから、前者の請負契約であれば、第2号文書か第7号文書に該当することとなります。
どちらの文書に属するかの判断は契約金額の記載の有無(契約書において、契約金額が明確であるかどうか)で判断します。
契約書において、契約金額の記載があれば、第2号文書となり、なければ、第7号文書となります。
第2号文書となりますと、契約金額に応じた収入印紙が必要となりますが、第7号文書となると、比較的高額の4,000円の印紙が1通につき必要となります。
次に、後者の準委任契約であれば、要件定義(準委任契約に基づく成果物)などもないようですから、第1号の1文書に該当することも考えにくく、この場合、不課税文書(印紙税法に規定された文書以外の文書)となり、収入印紙の貼付が不要となります。
そのため、まずは「自家用電気工作物の保安管理に関する委託契約書」が請負契約になるのか、準委任契約になるのかを明確にする必要があります。
たまたま検索していて見つけたインターネット上に掲載されている「自家用電気工作物の保安管理に関する委託契約書(案)」には、収入印紙を貼付する場所に、「印紙税法による不課税文書」とありましたので、おそらく「自家用電気工作物の保安管理に関する委託契約書(案)」を準委任契約書と判断して、不課税文書としているのだろうと推測できます。
ただ、定期点検により、定期的な設備の点検を行うことにより、設備の正常な機能を維持することを内容とする契約は、一般的に請負契約と考えられるといえそうです。
また、契約期間が1年と明確であり、委託料の表示もありますので、契約金額の記載がされているといえます。
そのため、インターネット上に掲載されている「自家用電気工作物の保安管理に関する委託契約書(案)」は、第2号文書に該当するのではないかと考えられます。
上記のとおり、インターネット上に掲載されている「自家用電気工作物の保安管理に関する委託契約書(案)」を確認し、当方の私見を述べました。
「業務委託契約書の印紙」について、より詳細をお知りになりたいという方は以下をご覧ください。
https://hilltop-office.com/contents/inshi.html
なお、収入印紙貼付の最終的な判断は管轄の税務署となります。
ご不安の方は、管轄の税務署に対象となる契約書をお持ちのうえ、ご相談いただくのがベストではないでしょうか。