ASPサービス提供契約書・利用規約約款を徹底解説! - 契約書の作成リーガルチェックは企業法務経験豊富な行政書士へ

契約書のコンテンツ

ASPサービス(クラウドサービス)契約書とは?徹底解説!

最終更新日:2023年8月8日

 

ASPサービス契約書について、徹底解説をしております。

 

 

 

ASPサービス契約書の概要

ASP(Application Service Provider)サービスとは、インターネットなどを通じて遠隔から提供されるソフトウェアサービスのことです。その法的性質は、ソフトウェアライセンス契約と同様ですが、ソフトウェアのある場所が利用者の端末にあるのか、インターネット接続されたサーバにあるのかという点で異なります。

 

 

 

ASPサービスの規約や約款

ASPサービスは多くの利用者に同一条件で提供されるため、「ASPサービス契約書」として締結するのは時間も手間もかかりますので、提供者は、あらかじめ契約条項を「ASPサービスライセンス規約」「ASPサービス利用約款」などとして定型的に定めておき、これらの規約や約款に同意した利用者に対して、サービスを提供するという契約形態であることが多いです。これら規約約款への同意は、ASPサービスを提供するサイト上で、また、申込書(例:書面やPDF)上で、同意を得るなどの方法があります。

 

 

 

ASPサービス契約書作成のポイント

ASPサービス契約書作成のポイントをまとめてみました。どれも実務に長年携わってきた経験に基づいています。参考にしてください。

ASPサービスの機能

ASPサービスで提供する機能(利用者が何をできるか)を明記しておきます。どんな機能をどの程度提供するのかを明確にしておくことが非常に重要です。一般的な契約条項だけ規定して、提供する機能に関する条項をしっかりと規定しておかないことが多く、これがサービス提供者と利用者との間のトラブルへとつながります。

禁止行為

利用者がASPサービスを不正に利用することで、ASPサービス提供者が他の利用者へのサービス提供ができなくなってしまうおそれがでてきます。他にも、利用者が提供者の知的財産権を侵害する行為、利用者が犯罪行為に結びつく行為や提供者の名誉を毀損する行為をする可能性もございますので、あらかじめこういった行為を禁止行為として定めておきます。
また、あまりに具体的かつ細かく規定し過ぎてしまう例もあり、そうすると同じような内容をいくつも規定することになり、かえってわかりづらくなりますので、注意が必要となります。

提供の中断

ASPサービスは、インターネットで、自らのサーバを通じて提供され、不可抗力や緊急な保守等により、中断を余儀なくされることがありますので、その旨を明記しておきます。

事前に計画していれば、中断時間等を利用者に通知するべきですが、緊急やむを得ない場合は通知ができない旨を規定しておきます。

また、このような場合に、ASPサービスの提供を中断しても、利用者に対して損害賠償責任を負わない旨も規定しておきます。

権利の帰属

ASPサービスも一種のソフトウェアの提供ですから、そのソフトウェアに関する権利が存在します。その権利が自らに帰属することを明記しておきます。また、ASPサービスの利用に必要な範囲を超えて使用できないことも明記しておきましょう。

登録データ

ASPサービスを通じて登録・送受信された登録データについては、利用者の責任で管理を行い、提供者はその責任を負わないことを明記します。特に、利用者の責に帰すべき事由に起因して、登録データを削除した場合、提供者はその責任を負わないことも明記しておいたほうがよいでしょう。

 

 

 

ASPサービスの販売方法

ASPサービスは、ASPサービス提供者から利用者に販売されるのが基本ですが、販売代理店が利用者を勧誘し、利用者との契約を取次したり、ASPサービス提供者から販売を受けた販売店(パートナー企業)がASPサービスを利用者に提供することも多く見受けられます。以下に代表的な販売方法の例を挙げましたので、ご参考にしてください。

ASPサービスの販売代理店契約(取次・仲介)

ASPサービス提供者から指名を受けた販売代理店がASPサービス提供者と顧客との間のASPサービス契約の取次、仲介を行うものです。販売代理店と顧客との間には、ASPサービス契約の締結はされず、ASPサービス提供者と顧客との間に、直接にASPサービス契約が締結されることになります。

 

<契約の流れ>
ASPサービス提供者⇔利用者
※販売代理店は取次・仲介するのみで、契約の主体となりません。

<サービス提供の流れ>
ASPサービス提供者→利用者
※販売代理店を介さず直接サービス提供されます。

 

この販売方法は、販売代理店契約書をご参考にしてください。

ASPサービスの販売店契約(再販)

ASPサービス提供者からASPサービスの販売を受けた販売店(パートナー企業)が自らのサービスとして再販売します。ASPサービス提供者と販売店との間、販売店と利用者との間に、ASPサービス契約の締結がされることになります。

 

<契約の流れ>
ASPサービス提供者⇔販売店⇔利用者
※どちらも販売契約となります。

<サービス提供の流れ>
ASPサービス提供者→販売店→利用者
※販売店を介してサービス提供されます。

 

この販売方法は、販売店契約書をご参考にしてください。

 

 

 

ASPサービス契約書の印紙

ASPサービス契約書は、課税文書に該当しませんので、不課税文書となり、収入印紙の貼付は不要です。

 

 

Copyright©2011 - Hilltop Administrative Scrivener OfficeAll Rights Reserved. login