販売代理店契約書(エージェント)とは? - 契約書の作成リーガルチェックは企業法務経験豊富な行政書士へ

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販売代理店契約書(エージェント)を詳細解説!

最終更新日:2025年11月18日

販売代理店契約書(エージェント型)は、供給者(委託者)の製品・サービスを、販売代理店(受託者)が供給者の名義で顧客に販売・紹介するものです。

 

「販売店契約書(再販契約書)」と類似していますが、販売代理店契約書は代理(=供給者のために販売)、販売店契約書は再販(=一旦買い取って転売)という点に大きな違いがあります。

 

販売代理契約書は、ITサービス、ソフトウェア、保守サービス、サブスク型サービス、製品の販売など、多くの業種で利用される契約で、契約の構造・責任範囲を理解せずに締結すると、メーカー・代理店双方に大きなリスクが生じます。

 

ここでは、販売代理店契約書の基本構造、代理店の権限、手数料、禁止事項、責任分担、販売店契約(再販)との違いを、豊富な実務経験に基づきわかりやすく解説します。 

 

 

販売代理店契約書とは

販売代理店契約書とは、販売代理店がメーカーやサービス提供者などの供給者(売主)の名で売買取引の取次、仲介、売買契約の締結代理などを行い、取引高に応じた手数料を取得する契約です。

 

  • ●販売代理契約書のポイント

・販売代理店は商品やサービスを供給者から仕入れない
・供給者の名義で商談・取次を行う
・販売が成約したら、供給者から「販売手数料」「紹介手数料」を受け取る
・顧客との売買契約は供給者が締結する
・販売代理店はあくまで「取次」「紹介」「媒介」の立場

 

※「販売代理店」は「再販売する会社」であると誤解されることが多いですが、それは「販売店契約書(ディストリビューター契約書)」です。供給者が販売店に商品やサービスを販売し、販売店が供給者から購入した商品、サービスやライセンスを自己の名で第三者に再販する契約です。

→販売店契約書のコンテンツはこちらです。

 

 

 

 

 

販売代理店契約書の特徴

販売代理店は、供給者と顧客との間の売買取引の媒介、取次または売買契約の締結代理を行いますが、供給者と販売代理店との間には売買契約の締結はされず、供給者と顧客との間に、直接に売買契約が締結されることになります。

 

そのため、販売代理店契約は、供給者から販売代理店に対して、販売代理店業務を委託されたようになることから、業務委託契約に近い形態となります。

 

また、販売代理店は、供給者が顧客に売買契約の当事者として販売しますので、商品販売リスク及び商品代金回収リスクを原則として負いませんし、顧客からの商品クレームに対する責任は、供給者が負うことになりますので、販売代理店は責任を負いません。

 

販売代理店契約では、商品は供給者から顧客に直接流れますので、販売代理店は基本的に商品の在庫を抱えませんし、商品在庫のリスクを負いません。

 

販売代理店が供給者のために行う売買取引の取次、代理、補助等の役務提供に対して供給者から受領する手数料が販売代理店の報酬となります。

 

※販売代理店契約書で想定される以下の代理商をご理解いただくと、販売代理店契約書の理解がスムーズとなります。

 

・媒介代理商
売買契約の締結権限を有しませんが、供給者のために顧客から売買取引の注文を得るための媒介または取次を行う代理商のことをいいます。

 

・締約代理商
供給者に代わって、供給者のために、顧客との間の売買契約を締結する権限を与えられた代理商のことをいいます。

 

 

 

販売代理店契約書作成のポイント

販売代理店契約書作成のポイントをまとめてみました。特に、販売代理店契約書は、成功報酬型の業務委託契約書の一種ですので、手数料の発生割合やタイミング、支払いに関する条項を明確にすることがポイントとなります。

手数料

手数料は、販売代理店が顧客に販売した額の何%などと具体的に取り決めておくことが多いです。

手数料は、販売代理店が取次・仲介した契約について1回だけの手数料を支払う「成約時手数料」、販売代理店が取次・仲介した契約が継続している間支払い続ける「継続手数料」(サブスク型)があります。

また、売上額に応じて、手数料を高くしたり、インセンティブがつくということもあります。

なお、手数料の割合を売上高に応じて、甲乙協議で随時見直しができるということを規定したいと相談を受けますが、この手数料の割合は契約において、非常に重要な要素ですから、口頭による協議で簡単に変更するのではなく、証拠がしっかりと残るよう変更契約などを締結して変更する必要があります。

手数料の発生

手数料がどのタイミングで発生するのか明記しておくことも重要です。
供給者と顧客との間で契約が成立した時点なのか、供給者が顧客から販売代金を受領した時点なのか(販売代理店が顧客から販売代金を収納代行した時点含む)なのかなどを明確に定めておく必要があります。販売代理店としては、前者の定めをする方が有利で、供給者としては、後者の定めをする方が有利となります。

ただ、契約が成立しても、手数料の原資となるのは、顧客から受領する販売代金ですから、販売代金がなければ、手数料を支払えませんので、販売代金を受領した時点で、手数料を支払うとするのがよさそうです。

販売代金の取扱い

販売代理店が顧客と締結した売買契約の効果は供給者に帰属しますから、販売代金は顧客から供給者が直接受領するのが原則ですが、販売代理店が顧客から販売代金を受領して、供給者に引き渡す場合もあります(請求収納代行)。

この場合、販売代金から販売代理店手数料を自ら受け取り、その残額を供給者に引き渡すことを定めることになります。

二次販売代理店

販売代理店が二次販売代理店に再委託すると、販売先が増え、販路の拡大につながることが予想されますが、必要な監視や教育が行き届かないことによって、サービスレベルの質の低下が懸念されます。

サービスレベルが低下すると、お客様からの信頼が落ちてしまいますので、二次販売代理店への再委託は慎重に検討すべきです。

仮に再委託OKということであれば、供給者の事前書面承諾を得ること、二次販売代理店にも同等の義務を負わせること、二次販売代理店の行為の責任を供給者が負うことなどを規定すべきです。

競合の禁止
販売代理店契約書では、販売代理店が供給者の商品やサービスと同種または類似のものを同時に取り扱うことを禁止し、供給者の代理店として並行活動することを禁止することが一般的です。
また、供給者の営業上の利益や顧客情報を保護するため、販売代理店契約終了後も一定期間、競合商品や競合サービスの販売・紹介を行わない規定を設けることがあります。
代理店の責任

販売代理店契約では、販売代理店の誤った説明により、顧客に損害が発生した場合、顧客からのクレームが発生した場合、その責任分担を明確にしておく必要があります。

供給者がすべてを負担するしてしまいますと、重大なリスクとなります。 

報告

販売代理店契約では、販売代理店から供給者に以下の内容を報告してもらうことが多いです。

販売状況を把握するためだったり、商品やその市場の情報を得ることによって、供給者側の製造や供給の参考にするためです。

  • 販売数量
  • 来期の販売見込み
  • 商品の評判・苦情内容
  • 商品の市場情報

また、この報告は、毎月、3か月、半年に1回報告することが多いようです。

販売代理店契約終了後の取り決め

販売代理店契約は、供給者と販売代理店とが売上拡大のために協業していくことから、いざ契約を終了するとなると、終了にあたり、許諾した権利の使用を中止したりするなど契約を解消するための問題が出てきます。

そこで、販売代理店契約に、以下の疑問点を明確にしておけば、契約終了時の取り扱いをスムーズにすることが可能になるのです。

  • 供給者が販売代理店に許諾した商標権(商号・ロゴなど)の使用をただちに中止するか?

  • 供給者が販売代理店に貸与した貸与品・提供した提供品をただちに供給者に返還するのか?

  • 販売代理店が顧客から受領した販売代金を契約終了後ただちに支払う必要があるか?
  • 販売代理店が契約終了以前に販売活動した顧客との売買契約が販売代理店契約終了後に成立した場合どうするか?

このほかにも守秘義務が存続するかなどの問題もあります。個別に検討する必要があります。

変更契約

販売代理店契約は継続的な契約であり、契約期間も長期にわたり、1年契約でも、自動延長が複数年繰り返されるというケースが多くあります。そのため、単価や条件などを変更契約を締結することで変更することになります。

 

 

 

 

販売代理店契約書の印紙

販売代理店契約書は、以下の5つの要件のすべてを満たせば、第7号文書(継続的取引の基本となる契約書)に該当することとなります。

この場合、4,000円の収入印紙を貼付する必要があります。

  • 営業者の間における契約であること

  • 売買、売買の委託、運送、運送取扱い又は請負のいずれかの取引に関する契約であること

  • 2以上の取引を継続して行うための契約であること
  • 2以上の取引に共通して適用される取引条件のうち目的物の種類、取扱数量、単価、対価の支払方法、債務不履行の場合の損害賠償の方法又は再販売価格のうちの1以上の事項を定める契約であること
  • 電気又はガスの供給に関する契約でないこと

なお、収入印紙を貼付していない場合、販売代理店契約の有効性に影響がある訳ではありませんが、印紙税額の3倍の過怠金がかかりますし、企業としての信用力の低下となる場合も想定されますので、ご注意ください。

 

 

 

 

まとめ

販売代理店契約書は、業種を問わず非常によく利用される契約形態ですが、「販売店契約書(再販)」との違いが曖昧なまま運用を開始しようとしている事業者様が非常に多い印象を受けます。

曖昧なままの運用や契約スキームをしないままの運用は、非常に大きなリスクとなります。

さらに、代理店手数料、販売代理店の権限・範囲、競業禁止、販売代理店の責任など、販売代理店契約書に特有の論点を明確にすることで、契約リスクや紛争リスクを大幅に下げることができます。

 

 

 

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