リーガルチェックあるあるPART16(紙に出すと見えるもの)
今回は、リーガルチェックのあるあるです。
契約書のリーガルチェックは、PCからWordやPDFのまま行うことができます。
すぐさま修正に取り掛かることができますし、検索機能を使えば、条文番号やキーワードを一瞬で探せますし、コメントを付けるのも簡単です。
当事務所も業務効率のため、PC上、デジタル上で作業することが多いです。
しかし、「印刷して紙で読む」と、意外な発見が多く、紙に出すと以下のような点が見えてきます。
●全体が見えやすい
画面だと1ページずつしか目に入りませんが、紙に出すと「前後の条文」とのつながりや「契約全体のバランス」が一目で確認できます。
例えば、「同じ趣旨の条文が2か所に書かれていた」「定義やキーワードが前後で微妙に違っていた」といったズレは、紙で読むと気づきやすいものです。
●視野が広がりやすい
画面ではどうしても縦スクロール中心で、自分の目につきやすい部分だけを見てしまいますよね。
紙だと視線の移動が自由で、余白にメモを書きながら全体を鳥瞰することができます。
「ここに追記したほうがいいな」とアイデアが出やすいのも紙によるリーガルチェックの特徴です。
●ミスが減ります
不思議なことに、画面で見逃していた誤字脱字や条文番号のずれが、紙に印刷するとすぐに目につきます(リーガルチェックの場合は、Wordの段落設定がされていないことが多いので、ずれが生じやすくなります。)。
フォントや行間が他の箇所と違っていることで「違和感」に気づきやすくなるのです。
紙で最終リーガルチェックをするようにしてから、修正の抜け漏れが減りました。
●最終的には紙です
電子契約の普及により減ってきていますが、最終的には紙に印刷して、製本という方が多いと思います。
最終的に紙で印刷するからこそ、デジタル上のリーガルチェックだけでなく、紙でのリーガルチェックは必須といえます。
★まとめ
企業法務でのリーガルチェックはAIを使ったり効率化が求められていると思いますが、「まずはしっかり全体を通して読むこと」が何より大事だと感じています。
だからこそ、デジタルだけでなく、あえて紙に印刷してから丁寧に読むことをお勧めしています。
契約書のリーガルチェックを依頼してくださるお客様にとっても、当事務所が「一行一行、丁寧に確認している」ことは安心につながるものと確信しています。
多少手間はかかりますが、それが結果的にトラブルを防ぎ、お客様を守ることにつながりますので、意外にもリーガルチェックで最重要なことかもしれません。
よろしければ、ご参考にしてみてください。