リーガルチェックあるあるPART6(不利でない契約書)
ご訪問ありがとうございます。豊富な企業法務経験による契約書の作成リーガルチェック専門「ヒルトップ行政書士事務所」の濱村です。
今日も契約書のリーガルチェックをするうえでの「あるある」です。
契約相手の契約書を受領して、リーガルチェックを行っていますと、あまり自社が不利になっていないということがあります。
あまりないですけど、確かにあるあるです。
理由としては、2つ考えられます。
まず、最初から契約当事者間の有利不利割合を五分五分に近い形になるようにして、契約書を用意している会社もあります。
取引先との契約調整に時間を要すことをおそれて、最初からフェアな契約書を用意するということですね。
もう一つは、これはあってはならないのですが、業務委託契約書の場合で、契約相手自らが委託するのにもかかわらず、受託する際に使用すべき契約書をこちら側に渡してしまって、契約相手的には、不利になっている(=自社は有利)ことが考えられます。
これは、以前にいた会社でも、ありました。
担当者が間違えて、「委託するのに「受託用」で結んでしまいました。どうしましょう!」とあわてて相談に来たケースもありました。
このケースですと、委託する際に使用すべき契約書へと結び直して、間違えた契約書は失効させることが必要です。
ただ、相手側が素直に応じてくれればいいのですが、一旦結んだら、結び直しは嫌だと言われる可能性もあります。
いずれにしろ、不利でない契約書をチェックしますと、修正点も少なくなりますので、やや拍子抜けしてしまいがちなのですが、ここで気を抜いてはいけません。
全部が全部こちら側に不利になっていない(=有利になっている)ということもあまりないです。
この場合、少しでもこちら側が有利になるように、気を抜かずリーガルチェックを続けます。
誤記でも業務内容の矛盾の指摘などでもいいですので、少しでもチェックする気持ちを持つことが重要です。
やはり、企業法務に従事されている方は、法務担当者らしく、自分のように契約書の専門家ならば、契約書の専門家らしく、少しでも自分を頼っていただいた方のためにベストを尽くさないといけませんよね。
より不利にならないために、その契約書に不足している条項もあるかもしれません。
そういう条項に気づき、しっかりと規定することが重要です。
しかし、こちら側が不利になっている契約書よりも、不利になっていない契約書は、手間や難易度も減りますので、これはやっぱりうれしい契約書の一つですね(笑)。