インターネット販売の制限

販売店に対してインターネット販売をしないようにさせたい。

と要望を受けたことがあります。

いわゆる安売りを禁止したいという意図があるようなのですが、これは、拘束条件付取引に該当し、違法となる可能性がありますので、注意が必要です。

独占禁止法には、販売店への販売方法の制限が許されるのは、以下の条件を両方とも具備する必要があると規定されています。

(1)他の販売店にも同等条件が課されること

(2)商品の適切な販売のため、以下の合理的な理由があること

①商品の安全性の確保
②品質の保持
③商標の信用の維持

気になるのが(1)ですね。

仮に安売りしない販売店にはインターネット販売を禁止しないで、安売りする販売店には禁止するというのではNGということになってしまいます。

いずれにしろ、上記の上限を具備して、販売方法の制限が許される場合でも、結果的に以下の制限を販売店にしてしまうと、できませんので、ご注意ください。

①小売業者の販売価格制限

②競争品の取扱の制限

③販売地域の制限

④取引先に対する制限

先にも述べた通り、インターネット販売を規制したい理由としては、販売価格の制限(=安売り禁止)であることが多いと思います。

 

この場合、販売方法の制限は許されないということになります。

 

以前に、せっかく、見積りも発行して、受注しかけた案件でしたが、どうしてもこの点にこだわられて、軌道修正ができませんでしたので、契約書は作れないとお断りしたことがありました。

 

インターネット販売での販売制限は、安売り禁止目的が多いと思いますが、この場合はできないということになります。