リーガルチェックあるあるPART13(社内連絡コメント)

ご訪問ありがとうございます。豊富な企業法務経験による契約書の作成リーガルチェックに精通した「ヒルトップ行政書士事務所」の濱村です。

久しぶりにリーガルチェックあるあるです。

契約交渉をしていると、契約相手からカウンターをもらうことがあります。

その契約書をリーガルチェックしていると、Wordのコメント機能を使用してコメントされていることがよくあります。

当然、契約相手からその相手方であるこちら側へのコメントであるだろうとリーガルチェックを進めるのですが、そうではなく、契約相手の法務又は弁護士から案件の担当者宛にコメントされる、いわゆる「社内連絡コメント」であることがよくあります。

例えば、秘密情報の内容の範囲について、
「秘密情報はこちらからも提供しますか?
こちらからも提供するのであれば、相手にも秘密保持義務を負ってもらう調整してください。」

などのようなコメントです。

このような「社内連絡コメント」をもらったのに、忙しくて?面倒で?案件担当者がそのまま転送してしまうのでしょう。

本来であれば、案件担当者がコメントの趣旨を考えて、契約相手(こちら側)向けにコメントを書き換えないといけないのですが、意味をよく考えず、そのまま転送してしまったのだろうということです。

現場の担当者の方は忙しいですし、契約書に関する知識が不足しているケースも多く、なかなか契約交渉を自分事としてとらえるのが難しいようですので、法務や弁護士などが「担当者向けにコメントしているので、確認してください」などとメールに記載したり、打合せしたり、電話したりすることが重要になってきます。

これらを怠ってしまうと、上記のとおり、契約交渉としては恥ずかしい思いをしてしまいますし、このようなミスに乗じて反撃をされることになります。

契約相手の相手方であるこちら側としては、何もコメントをしないのはもったいないので、わかっていながら、「このコメントは弊社宛の記載でしょうか?」「貴社社内向けコメントでしょうか?」などとコメントして、契約相手に恥ずかしい思いをしてもらい、該当箇所を確実に有利に着地できるようもっていくことが重要となります。

今回のケースでは、契約相手の案件担当者に非があるように見えますが、社内体制の問題でもありますので、案件担当者と法務又は弁護士などが連絡を密にとり、連携して契約交渉にあたれるよう社内体制を整備することが重要となります。