リーガルチェックあるあるPART7(甲乙逆)
ご訪問ありがとうございます。豊富な企業法務経験による契約書の作成リーガルチェック専門「ヒルトップ行政書士事務所」の濱村です。
毎日見ている契約書。
その契約書は、「甲」「乙」で表記することが一般的となっています。
「甲」「乙」を使用するようになったのは、十干が起源と言われています。
十干とは、
甲(こう)
乙(おつ)
丙(へい)
丁(てい)
戊(ぼ)
己(き)
庚(こう)
辛(しん)
壬(じん)
癸(き)
の10の要素のことです。
この十干が契約書内のプレーヤーを簡易表記するために使用されているのです。
多くの契約書がプレーヤーが2人(法人)であることが多く、たいていの契約書では、「甲」「乙」だけで終わってしまいます。
多くても、戊(ぼ)くらいまでで終わるのではないかと思います。
「甲」「乙」どちらが上位・優位とか決まっている訳ではありませんが、通常、業務委託契約書や取引基本契約書では、お金を支払う立場、発注者・委託者のほうが「甲」となることが多く、その逆、つまり、お金を受領する立場、受注者・受託者のほうが「乙」となることが多いです。
そのため、契約書のリーガルチェックをされる方は、委託者=「甲」の立場でリーガルチェックすることが染みついていると思います。
そこに、たまにですが、契約相手から受領する業務委託契約書や取引基本契約書をリーガルチェックしていると、契約書の「甲」「乙」が逆になっていることがあります。
発注者・委託者が「乙」、受注者・受託者が「甲」となる訳です。
いわゆる「乙」「甲」と記載されているとおりにリーガルチェックしていると、もうどっちが「甲」かどっちが「乙」かがわからなくなります。
そちらにも慣れている方でしたら対応できるのだと思いますが、自分の場合は無理です。
必ず間違いが生じますし、慣れていないため、時間が必要以上にかかります。
そんなときは、「乙」「甲」でなく、「甲」「乙」と自分の慣れているほうに戻します。
Wordの「置換」の機能を使えば一瞬で終わります。
そうして、「甲」「乙」の状態でリーガルチェックを進めます。
そうすると、非常にスムーズに、そしていつものとおりにリーガルチェックすることができます。
ただ、これで満足してはいけません。
必ず、「甲」「乙」をまた逆に「乙」「甲」にして、戻しておくことが重要です。
このように、リーガルチェックも自分の進めやすい形で進めれば、時間も短縮できてスムーズにいくのではと思います。