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売買基本契約書の契約不適合責任の内容を詳細解説!

最終更新日:2024年6月23日

 

以下において、売買基本契約書の契約不適合責任の内容や期間について詳細解説しております。

 

 

契約不適合責任とは?

契約不適合責任とは、売買契約で、引き渡された商品に、種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものがあったときに、売主が買主に対して負う責任のことです。


「種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しない」ということは民法に規定があるのですが、簡単にいうと、種類間違い、品質不良、数量不足があるということになります。

 

わかりやすく、以下に例を挙げます。

 

・種類間違い:コーラを注文したのに、サイダーが納品された。

・品質不良:サイダーの賞味期限が切れていた。

・数量不足:コーラを50本注文したのに、48本しかなく2本足りない。

 

旧民法では「瑕疵担保責任」とされていましたが、2020年4月1日の民法改正により、「契約不適合責任」に改正されました。

 

 契約不適合責任は、売買契約だけでなく、請負契約などの有償契約にも適用されます(民法第559条)ので、請負契約でも同様の考え方となります。

 

なお、契約不適合責任については、契約書で規定すれば、法律の定めよりも優先されるとする「任意規定」となっております。
契約書において、契約不適合責任の内容を制限したり、通知期間の起算点や通知期間を短くするなど売主の責任を軽減することが契約書で規定されています。

但し、消費者契約法に該当する場合など、売主に有利となる規定は無効とされる場合がありますので、注意が必要となります。

 

 

 

契約不適合責任の内容

契約不適合責任は、納品時の検査では発見されなかった契約不適合が後になって発見された場合の売主の責任を定めているものですが、その具体的な内容は次の4つとなります。

 

買主の履行追完請求権

買主は、売主から引渡された目的物に契約不適合があるときは、履行の追完を売主に請求することができます(民法第562条第1項)。

 

履行の追完は、具体的に以下のとおりです。買主がこれらいずれかの方法で履行の追完を請求することができます。

 

・目的物の修補(修理)

・代替物の引渡し(正規品との交換)

・不足分の引渡し

 

ただし、売主は、買主に不相当な負担を課するのでなければ、買主の請求した方法とは異なる方法で履行の追完請求することが認められています。

 

例えば、契約不適合の生じた商品が海外から安く輸入されたものであるとき、修理をすると余計に修理費用がかかってしまうようなケースです。

 

この場合は、売主は代替物の引渡しによることができます。

 

また、買主は、契約不適合が買主の責めに帰すべき事由によるものであるとき、履行の追完を請求することはできません(民法第562条第2項)。

 

買主の代金減額請求権

買主は、売主から引渡された目的物に契約不適合があるとき、相当期間を定めて履行追完の催告を行ったにもかかわらず、売主が相当期間内に履行の追完をしないといき、その不適合の程度に応じて、代金の減額を請求することができます(民法第563条第1項)。

 

例えば、ペプシコーラ1本100円を50本注文したものの、10本の数量不足が生じ、相当期間を定めて、不足分の引渡しとして、10本の引渡し請求を行ったが、売主が引き渡してくれないので、100円×10本=1,000円の代金減額請求をすることが想定されます。

 

ただし、次の場合には、買主は、上記の催告をすることなく、ただちに代金の減額を請求することができます(民法第563条第2項)。

 

①履行の追完が不能であるとき
②売主が履行の追完を拒絶する意思を明確に表示したとき
③契約の性質又は当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行をしなければ契約をした目的を達することができない場合において、売主が履行の追完をしないでその時期を経過したとき

④上記①~③のほか、買主が前項の催告をしても履行の追完を受ける見込みがないことが明らかであるとき

 

上記①~④の場合は、催告しても仕方のないようなケースです。この場合は、すぐに代金減額請求ができます。

 

また、買主は、契約不適合が買主の責めに帰すべき事由によるものであるとき、代金の減額を請求することはできません(民法第563条第3項)。

買主の損害賠償請求権

買主は、契約不適合が生じた場合に、追完請求や代金減額請求をしても、損害があれば、債務不履行に基づく損害賠償請求をすることができます(民法第564条)。

買主の契約解除

買主は、契約不適合が生じた場合に、追完請求や代金減額請求をしても、債務不履行に基づき、契約の解除をすることができます(民法第564条)。

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