契約書の作成チェックは弁護士と行政書士どちらに依頼すべき?
最終更新日:2024年11月18日
契約書の作成やリーガルチェックは弁護士と行政書士のどちらに依頼すべきでしょうか?
以下において、詳細解説しております。
弁護士と行政書士の業務の違い
弁護士と行政書士のどちらにも契約書の作成やリーガルチェックを依頼できるということですが、業務の違いについて比較してみましょう。
弁護士の業務範囲
弁護士の業務の範囲は、弁護士法第3条第1項に規定されています。
弁護士法第3条第1項
(弁護士の職務)
第3条 弁護士は、当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱によつて、訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件に関する行為その他一般の法律事務を行うことを職務とする。
弁護士は、「法律事件」や「法律事務」などを幅広く行うことができる資格と言えます。当然、難関の司法試験に合格していますから、行政書士よりも知能・法律知識・法律に関する様々な経験値が高いと思われます。
今回の契約書の作成やチェックについては、「法律事務」に含まれています。
あらゆる事件を幅広く扱えることから、幅広く契約書の作成やチェックができることにはなりますが、弁護士によっては、得意分野をお持ちの方が多いですので、依頼したい契約書の作成やリーガルチェックに精通している弁護士かどうかかが重要ではないかと考えます。
行政書士の業務範囲
行政書士の業務範囲については、行政書士法第1条の2第1項に規定があります。
行政書士法第1条の2
(業務)
第1条の2 行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類(その作成に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)を作成する場合における当該電磁的記録を含む。以下この条及び次条において同じ。)その他権利義務又は事実証明に関する書類(実地調査に基づく図面類を含む。)を作成することを業とする。
わかりやすくまとめると、以下のとおりです。
- 官公署に提出する書類の作成とその代理、相談業務…建設業許可、帰化申請、古物営業許可、風俗営業許可など
- 事実証明に関する書類の作成とその代理、相談業務…各種議事録・財務諸表・実地調査に基づく各種図面類など
- 権利義務に関する書類の作成とその代理、相談業務…各種契約書、規約、遺産分割協議書、内容証明、定款など
行政書士は、上記のとおり、業務の範囲が非常に広いです。
特に許認可を得意としている方が多く、契約書に対応している方はあまり多くない印象です。
許認可をメインに活動されている方よりは、契約書に精通した方を探すのがよいのではないでしょうか。インターネットで検索するのであれば、少なくとも契約書専門のホームページを有している方にご相談いただくのがよいのではないかと考えます。
弁護士と行政書士の報酬の違い
契約書の作成にあたり、弁護士と行政書士の報酬は一般的に弁護士のほうが高額です。
弁護士と行政書士の契約書に関する報酬を「(旧)日本弁護士連合会弁護士報酬基準」と「日本行政書士会連合会の統計」を参考にさせていただき、比較しました。弁護士の場合、1通あたり5万円から30万円(それより高いものもありますが)であることが多い一方、行政書士の場合、1万円~8万円のあたりが多いようです。
やはり、弁護士のほうが高額ではありますが、法律事務所・行政書士事務所ごとに報酬額は異なりますので、ホームページをご覧になるなどご確認いただければと思います。
実際、行政書士事務所で報酬額が安いところはあります。
当事務所の例を出して申し訳ないのですが、契約書の作成については、以下の方針で対応しております。
- お客様へのお問い合わせにはスピーディにレスポンスしていること
- しっかりとご要望を伺ってからお見積もりを提示していること
- お客様の思いを形にした最適な契約書としていること
- 印紙税額の有無や節税を意識していること
- 下請法・フリーランス法・建設業法・特定商取引法などの法定事項を遺漏なく規定すること
- 契約書をお客様に納入する前に、何度も最終チェック(契約書データを用紙に印刷→赤入れ校正→Word修正を5回以上繰り返し)をしていること
- Wordの自動段落番号設定、見出しの折りたたみ・展開設定を行っていること
- 納入後、お客様からのご要望によるスピーディーな修正対応を行っていること(即日)
そのため、案件にもよりますが、標準的な契約書ですと、5万円からの料金とさせていただいております。
ご興味がありましたら、詳細はサービス料金のページをご覧ください。
それに、報酬額は、契約書の難易度や仕事量などでも異なってきます。
例えば、全8条にも満たない金銭消費貸借契約書と全40条以上もあるフランチャイズ契約書では、仕事量や難易度がまったく異なりますので、当然報酬額は異なってまいります。
まとめ
弁護士も行政書士も契約書の作成やリーガルチェックに対応可能であります。
弁護士のほうが法律知識・訴訟対応等で優れており、報酬は高額であることが多いですが、行政書士でもご依頼いただく契約書について、豊富な知識やノウハウを持っている方はいます。むしろ、ケースによっては、弁護士よりも慣れていることもあります。
そういったケースでは、行政書士にも安心して、しかも比較的低額で依頼することができます。
いずれにせよ、弁護士や行政書士にとって、契約書はどちらかというと、報酬が高いほうの業務ではありません(正直あまり儲かりません…)ので、メインの業務ではない方が多くいらっしゃいます。
弁護士・行政書士のどちらの資格でも契約書専門、契約書に精通した方にご依頼いただくのがよろしいのではないかと考えます。
契約書専門、契約書に精通した方であることを見分ける一例としては、契約書専門のサイトを有しており、かつ有益なコンテンツを数多く発信されているかどうかです。
ご依頼をいただきたい契約書に関連する情報をホームページ等で詳細にわかりやすく発信しているかもご判断の材料としていただければと考えています。
また、弁護士や行政書士と直接お電話等でお話をしてみて、ご依頼いただく契約書について、質問をしてみるなど、豊富な知識があるかどうかも直接確認していただければと思います。その際に対応やレスポンスが早いかどうかも判断できます。
契約書専門、契約書に精通している方は、知識も豊富で、得意分野の契約書に関するノウハウも蓄積していますので、知識や経験がなく雛形で対応しようとしている弁護士や行政書士よりも、格段に完成度の高い契約書になる可能性が高いですし、有益な情報が提供されるかもしれません。
そのうえで、貴社のご予算に応じて、弁護士か行政書士かどの専門家にするかご検討いただければと思います。
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