電話勧誘販売における申込書面(特商法18条)を詳細解説!
最終更新日:2026年1月26日
特定商取引法では、電話勧誘販売について、申込みを受けた段階において、一定の書面交付義務を定めています。
いわゆる申込書面(18条書面)です。
本書面は契約書面とは別に交付する必要があり、その判断も理解し難いです。
本ページでは、特定商取引法18条に基づく申込書面について解説しています。
電話勧誘販売で求められる申込書面・契約書面
特定商取引法において、電話勧誘販売に関する書面交付義務は、次の2つの条文により定められています。
18条:申込みを受けたとき:申込書面(18条書面)
19条:契約を締結したとき:契約書面(19条書面)
そのため、申込書面(18条書面)は、契約が成立する前に交付する書面となり、契約書面とは別の書面となります。
特定商取引法18条の条文を確認
本ページでは、 特定商取引法18条の書面について、解説していますので、まずは条文をご確認いただくと、理解がスムーズになります。
特定商取引法18条
(電話勧誘販売における書面の交付)
第18条 販売業者又は役務提供事業者は、電話勧誘行為により、電話勧誘顧客から商品若しくは特定権利につき当該売買契約の申込みを郵便等により受け、又は役務につき当該役務提供契約の申込みを郵便等により受けたときは、遅滞なく、主務省令で定めるところにより、次の事項についてその申込みの内容を記載した書面をその申込みをした者に交付しなければならない。ただし、その申込みを受けた際その売買契約又は役務提供契約を締結した場合においては、この限りでない。
一 商品若しくは権利又は役務の種類
二 商品若しくは権利の販売価格又は役務の対価
三 商品若しくは権利の代金又は役務の対価の支払の時期及び方法
四 商品の引渡時期若しくは権利の移転時期又は役務の提供時期
五 第二十四条第一項の規定による売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回又は売買契約若しくは役務提供契約の解除に関する事項(同条第二項から第七項までの規定に関する事項(第二十六条第二項、第四項又は第五項の規定の適用がある場合にあつては、当該各項の規定に関する事項を含む。)を含む。)
六 前各号に掲げるもののほか、主務省令で定める事項
2 販売業者又は役務提供事業者は、前項の規定による書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、当該申込みをした者の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。この場合において、当該販売業者又は当該役務提供事業者は、当該書面を交付したものとみなす。
3 前項前段の規定による書面に記載すべき事項の電磁的方法(主務省令で定める方法を除く。)による提供は、当該申込みをした者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルへの記録がされた時に当該申込みをした者に到達したものとみなす。
申込書面の交付が必要となる場合
特定商取引法18条では、次のような場合に、申込書面の交付が必要となります。
・販売業者又は役務提供事業者(以下「事業者」といいます)の電話勧誘行為によること
・商品・特定権利の売買、役務提供に関する契約であること
・申込みをした者(以下「申込者」といいます)からの郵便等による申込を受けること
上記の場合、事業者は、遅滞なく、申込みの内容を記載した申込書面を、申込者に交付しなければなりません。
申込書面に記載すべき事項
特商法18条1項は、申込書面に記載すべき事項として、以下の内容を定めています。
これらは、申込みの内容を明確にするため必要となる事項です。
主に契約の内容に関する事項
申込書面には、主に契約の内容に関する以下の事項について記載する必要があります。
- 商品若しくは権利又は役務の種類(特定商取引に関する法律第18条第1項第1号)
- 商品若しくは権利の販売価格又は役務の対価(特定商取引に関する法律第18条第1項第2号)
- 商品若しくは権利の代金又は役務の対価の支払の時期及び方法(特定商取引に関する法律第18条第1項第3号)
- 商品の引渡時期若しくは権利の移転時期又は役務の提供時期(特定商取引に関する法律第18条第1項第4号)
- クーリング・オフに関する事項(クーリング・オフができない部分的適用除外がある場合はその旨含む。)(特定商取引に関する法律第18条第1項第5号)
主に商品・役務や事業者に関する事項
申込書面には、主に商品・役務や事業者に関する以下の事項について記載する必要があります。
- 販売業者又は役務提供事業者の氏名又は名称、住所及び電話番号並びに法人にあっては代表者の氏名(特定商取引に関する法律施行規則第45条第1号)
- 売買契約又は役務提供契約の申込み又は締結を担当した者の氏名(特定商取引に関する法律施行規則第45条第2号)
- 売買契約又は役務提供契約の申込み又は締結の年月日(特定商取引に関する法律施行規則第45条第3号)
- 商品名及び商品の商標又は製造者名(特定商取引に関する法律施行規則第45条第4号)
- 商品に型式があるときは、当該型式(特定商取引に関する法律施行規則第45条第5号)
- 商品の数量(特定商取引に関する法律施行規則第45条第6号)
- 引き渡された商品が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合の販売業者の責任についての定めがあるときは、その内容(特定商取引に関する法律施行規則第45条第7号)
- 契約の解除に関する定めがあるときには、その内容(特定商取引に関する法律施行規則第45条第8号)
- そのほか特約があるときには、その内容(特定商取引に関する法律施行規則第45条第9号)
申込書面が不要となる場合
電話勧誘販売において、申込書面が必要となる場合について、18条1項の但書が該当します。
<18条第1項但書>
ただし、その申込みを受けた際その売買契約又は役務提供契約を締結した場合においては、この限りでない。
→この但書は、事業者が申込者から申込みを受けた時点で契約が成立している場合には、申込書面(18条書面)の交付は不要である(この限りではない)ということを定めた規定です。
電子的方法による交付
18条は、申込書面について、以下の要件のもとで電磁的方法による提供を認めています(特定商取引法18条2項3項)。
- ・消費者の承諾を得た場合
- ・電子データとして提供可能
- ・ファイルに記録された時点で到達したものとみなす
→電磁的方法による提供が法律上認められていますが、申込者の承諾を受領する運用のハードルが高く、紙(書面)での交付を強く求められています。
まとめ
特定商取引法18条は、次のような場合に適用されます。
・事業者の電話勧誘行為によること
・商品・特定権利の売買、役務提供に関する契約であること
・申込者からの郵便等による申込を受けること
また、申込みを受けた際に契約が成立している場合には、18条書面の交付は不要とされています。
事業者においては、特定商取引法や関係法令に基づき、しっかりと申込書面を準備・整備しておくことが重要となります。
よくあるご質問
申込書面(18条書面)に関して、お客様から多く寄せられるご質問をまとめました。
- 電話勧誘販売では、必ず申込書面(18条書面)が必要ですか?
- いいえ、必ずしも必要ではありません。
特定商取引法18条は、電話勧誘行為により、申込みを郵便等により受けた場合に適用されます。
申込みを受けた際に、契約が成立している場合には、18条書面の交付は不要とされています。 - 申込書面は、契約書と同じものですか?
- いいえ、申込書面は契約書ではありません。
申込書面は、契約成立前に交付されるものであり、契約締結後に締結される契約書面とは異なります。
実際に記載しなければならない事項は共通ですが、申込書面と契約書面は別のものとなります。 - 専門家に相談しなくても、申込書面の準備はできますか?
- はい、申込書面自体は、事業者ご自身で作成することも可能です。
ただし、特定商取引法などで定められている申込書面は、記載事項や表示方法(赤字・赤枠表示など)が細かく定められており、形式・内容のいずれかに不備があると、有効な法定書面として扱われないおそれがあります。
この場合、クーリング・オフ期間が経過していても、契約解除や返金対応を求められるリスクが残ることがあります。
また、法的に有効な対応が求められるのは法定書面に限られず、概要書面の内容や交付方法、勧誘方法、社内での運用ルールまで含めて総合的に整備されている必要があります。
当事務所では、既にお持ちの書面を前提としたリーガルチェックサービスにも対応しております。
ご自身で作成した書面について、この内容で問題ないか不安がある場合には、お気軽にご相談ください。 - 自社の契約書や書面が、申込書面として有効か確認してもらえますか?
- はい、大丈夫です。
当事務所では、特定商取引法に基づき、現在ご使用中の申込書面が有効かどうかを確認するリーガルチェックサービスを提供しています。
これまでの対応において、申込書面の法定記載事項の記載漏れや不備を多数改善してきております。
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